ほのぼの通信

年中組さんが、中心となって企画計画をして、卒園する年長組さんをおもてなしする行事(お別れパーティー)の心温まる話です。

お別れパーティーの当日。朝、年中組のある男の子をバスでお迎えに行くと、いつもと違う顔を、していました。
バスの中で本人に聞くとお別れパーティーがあることに、緊張しているようでした。まかされた担当の〝お仕事〝を上手にできるのか、ドキドキしていたようです。その男の子は話し終わると、顔を両腕で隠して、うつむいていました。

しばらくすると年長組の、お兄さんが、バスに乗り込みました。いつもと違う男の子の様子に、すぐに気付き、先生に尋ねました。先生が小さな声で男の子のことを伝えました。すると、
お兄さんは、男の子の名前を呼んで、こんな話しをしてくれました。

『僕もね、ひまわり組の時、めっちゃ!緊張したーー!!おれはお寿司屋さんをしてね、サーモンを売ったんだよ!そしたら、サーモンの寿司は落ちるし、大きな声で、〝へい、らっしゃい!って言ったしー!』

大きな声で楽しそうに、笑って話すその姿に、男の子は顔をあげ、いつの間にか笑顔で話を聞いていました。

昨年の、自分を思い出し話し始めたのは、大成功の話ではなく、その子の中の〝やっちまったー!〝の出来事でした(^^)。
その話は、年中組さんの心をホッとするきっかけとなったようです。
園にバスが到着するまで、ずっと年長のお兄さんの方を向いて、色んな話してをしていました。

パーティーのお店屋さんが始まると、年中組の男の子は緊張した面持ちをしながらも、友だちの動きを見ながら、作りたてラーメンをレジに運んでいました!終わった後には、達成感と心地よい疲労感に、とろんとした目で満足そうに先生と話していました。

次の日のバスで。年中さんが、お礼の手紙を年長さんに書いて来てくれたようです。その次の日には、お返事ももらっていました。

緊張する気持ちは、経験した者でしかわかりません。
同じバスのお兄さんに、たくさん教えてもらって、当日は、張り切ってお店を切り盛りしていたようです。
二人にとっても。深い絆が生まれました。

幼稚園の時に、この【初めて】を、たくさん経験することが大切です。
上手くいかないことも経験することが大事!だからこそ、誰か気持ちに共感してあげられるのだと改めて感じます。
仲間がいるから、助けてもらえるし、助けても上げられまよね(^^)

お別れの日もあと少し。
みんなで植えたちゅうりっぷも大きく成長しました。