「つながり」を知る ☆☆

「つながり」を知るため。(5月5日中日新聞社説より)
14歳でヨットによる太平洋単独横断に成功した高橋素晴さん(現在26歳)のお話でした。私たちの日常生活からかけ離れたところでの体験ではありますが、私たち人間が生きる、子ども達の育ちをどう援助していったらよいのかということを、考えさせられます。
目くるめく高い空、どこまでも深い海の闇に独りぼっち。高橋少年が得たものは、自然のおかげで生かされているという、知識としては得難い「実感」でした。
そうですね。子どもの育ちの源は、全て実体験に基づくものです。五感の発達にしても、思考力にしても、たくさんの実体験の中から自分なりの感覚を育て上げていきます。人間関係においては、特にそうですね。人間関係をうまくやる方法を教えても、決してうまくやれるようにはなれません。場の空気を読んだり、相手の気持ちを推し測る力が育っていないと、臨機応変に対応することができません。


人間関係がちょっと面倒くさいとか、骨が折れると感じることがあるのは、相手がどのような反応を返してくるかが完全には予測できないところにあるといわれています。物や機械であれば、こうすればこうなると相手の反応が完全に予測できるので、それに対する応対も容易に考えることができます。
でも、人間関係は、無限の反応パターンがあります。たくさんの、また幅広い体験を積み重ねることで、より精度高く相手の反応を予測できるようになります。
人の心や命は大切。学校で試験の問題に出せば、ほとんどの人が正解を選ぶことができます。ところが、現実の社会で起こっている事は、まったくそんなこととはかけ離れています。
自分の欲望を満たすために人を殺める、迷惑をかける。あるいは、せっかく授かったかけがえのない自分の命さえおろそかにしてしまう。悲しいことです。
では、そうならないためにはどうしたらよいか。まさしく、実体験です。幼少時に、たくさんの命に触れ、いろんな友達や人々と関わり、命の温かさを感じること。知るのではなく感じることが大切なのです。それは、私たち人間の源は、感じる力で成り立っているからです。
豊富な生活体験が、子どもの太くて逞しい育ちを支えます。
さて、この社説では、世界が社会が自然が様々につながっていて、その中に自分がいる事を伝えています。地球環境のことや社会のあり方を考えていくためには、大切な考え方です。子どもたちには、「自分」と「自分以外のもの」と反目するのでなく、自分と自分の友だち、自分の街、自分の国、自分の地球と身のまわりのすべてのものを大切にする心を育んでいけると嬉しいですね。
自分と自分の家族や関わる人たちをはじめ、まだ会った事もない話したこともないけれど自分の町や国の人、自分の地球のために・・・。