運動会を行いました

雨天のため順延された10日の日曜日に、西尾中央幼稚園運動会が開催されました。

今年のこだわりは、課題解決能力を育てる事。
年長に進級した時から園庭を2周走るかけっこに憧れ、意欲を燃やしていた子どもたちの反応が不安でしたが、バトンを持って走る子供たちに思い切ってかけっこの代わりにリレーをやること提案したところ、「エーッ」という声と「面白そう」「やろう!やろう!」という声が飛び交い、最終的にリレーが面白そうだからやりたいという声が大きくなり、年長児は例年の園庭2周のかけっこからリレーに変更することになりました。
園側がもくろんだのは、すべてのことを自分たちで考えさせるようにし、チームで話し合い合意で走順を決めたり応援方法を考えたりする中で、自分の意見を主張する力、人の意見を理解しようとして聞く力、そしてみなが納得する結論を導き出す経験をすることです。
幼稚園児には多少高度な課題かもしれませんが、やってみなければ分からないし、何よりそのようなことを経験する事で、狙った力が育っていくであろうという予測の元に、子どもたちを援助していく事となりました。

リレー自体はバトンを持って走ることの楽しさを知っている子どもたちですので、自分たちで用意し、自分たちで始めていました。
クラスの半数くらいの子どもたちが集まって何やら相談しながらやっています。
チームをくじ引きで決め、半分ずつに分けました。走順をみんなで考えているところです。全員リレーですので、一人一人の力と応援が鍵を握ります。

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「速い子は後にした方が良いんじゃない」「男の子女の子と順番が良いよ」「遅い子の次には早い子」など、男の子の名前を書いた青い札と女の子の名前を書いた赤い札を並べて走る順番を、みんなで意見を出しながら決めています。

あーでもないこーでもないと言いながらも、徐々にリストが出来上がっていきます。
年長になってから、お泊まり保育のリーダー選びやチーム決め、事あるごとに話し合ってきた成果でしょうか、意見の食い違いから言い争いになったりヘソを曲げてどこかに行ってしまうような姿もなく、最後までチームの仲間が頭を突き合わせてその子なりに一生懸命考え、意見を言い、人の意見を聞き、また考え、最後まで真剣に議論する姿は大人顔負けだと感じさせました。

このようなことは中学生になったらできるとか、高校ぐらいにならないと無理とかいう問題ではありませんね。このような経験を通して少しずつ育まれてゆきます。

特に、人の意見をよく理解できるように聞き考える力は、社会生活を営む上で欠かせない能力です。
心が相手の方を向くことで本当に相手の思いや意図を理解しようと聞くことが出来ます。普段から一緒に良くあそび、心通う仲間だからこそ、このような姿も発揮できます。

チームの名前を考えているところです。
名前が決まったらチームの旗を作ります。まずチームの名前を書いて、デザイン案を見せています。

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1回対戦をし負けてしまったので、作戦の練り直しです。走る順番はこれで良いか、どうやったら早く走れるか、意見を出し合っています。

バトンを落とさないようにしっかり受け取ることであったり、走っている子を応援することであったり、走る前に「エイエイオー」ってやって心を一つにしないからだよとか、様々な意見が出ました。仲間の絆を感じます。
またまた対戦です。同じ順序の走者の紹介です。ライバル意識が現れています。

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でも、戦いが終われば、すぐに仲良しの友だちに元通り。リレーはリレー、遊びは遊び、TPOをわきまえることが出来る子どもたちです。
予行演習で、アンカーがたすきをかけて走る姿を見てかっこいいと感じた子ども達。ぼくも私もタスキを付けたいっ!
それではということで、全員たすきをかけて走ることになりました。タスキには自分の名前と、裏にはリレーに対する思いが書かれています。

「さいごまでがんばる」「こころをひとつに」「あきらめないでがんばる」など、リレーに対する熱い思いが感じられました。
そして、迎えた本番。一人一人の真剣な表情が見られました。また、負けていてもあきらめずに最後まで力いっぱい走る子供たちの姿や、友だちを応援する姿に感動を覚えた方も多かったことと思います。子どもたちの心の発達がよく伺えた運動会でした。

また、当日は増山副市長様や子ども課様にもご観覧頂きました事を感謝申し上げます。たくさんの方に支えられ子どもたちの健やかな育ちが後押しされています。
関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。