わがままって何?

子どものわがままには手を焼きますね。しかっても効き目がないと分かっていても、つい叱って事を収めようとする私たち。
わがままって一体なんでしょうか?
そのことばの意味や音声から、「ワレがあるまま」と考えられます。その人(子ども)が自分の心のあるがままに生きている状態です。しばしば大人は、「この子はわがままで困るんです」といったことを言うことがあります。
家の中で子どもがテレビを見ている状況を思い浮かべてください。
母・・・「いつまでもテレビを見ていないで、お風呂に入りなさい」
子ども・「いやだ。もう少し見る」
母・・・「もう、聞き分けのない子ねぇ。早く入りなさい」
どっちの言い分が正しいか間違っているか、という問題ではないですね。
どのような価値観で、お互いを理解しあえるかが大切なポイントです。


上記の場面では、それぞれが自分の思いを主張しています。ただ、お互いに相手に自分の思いが届かない、自分の思い通りにならないことに腹を立てています。
お母さんは、子どもの健康のためにも早く風呂に入れて寝かせたい。
子どもは、今テレビがいいところなので、最後まで見たいと思っている。
一見お母さんの言うことのほうが正しいように見えますが、本当にそうでしょうか?この場面の問題の本質はどこにあるのでしょうか。
たとえば、きちんと決められたように生きることが幸せであるという価値観の家庭であれば、きちんと決められたとおりに動くことが大前提になります。その価値観を決めるのがお母さんであり、お母さんの言うこと考えること全てが正しくて、皆が幸せになっていくのであれば、お母さんの言うことは絶対であり言うことを聞くことが善であるとして、それはそれで結構でしょう。
ただ、わけもなく子どもを従わせるだけでは、動物を躾けることと同じになってしまいます。
次に、子どもの育ちを考えながら、この場に対処するのであれば、まず、子どもの思いを聞くことが必要になります。もし、それが子どもの育ちに必要なテレビ番組であったら、世のお母様が喜ぶお勉強の番組であれば、もう少し待ってあげられる余裕も生まれるかもしれません。
人は、人とかかわりながら生きています。そして、そのかかわりの中での経験を基にして育ち、成長していきます。また、そのかかわりは外からの刺激であることもありますが、自発的活動に基づくものである場合があります。
その子らしい成長を援助しようとすれば、この自発的活動を大切にしてあげる必要があります。何も、全て子どものやりたいようにやらせてあげなさいということではありません。子どもの思いを、まず受け止めてあげることが大切という事です。そのあと、お母さんの思いを伝える。
そんな親子のやり取り、お互いを理解しあうようなコミュニケーションができれば、すてきな子育てにつながっていきますね。
わがまま?
自分を主張できるだけ、まだましですよ。
自分の気持ちも外に出せないような人間に育ってしまったら、後々大変です。
ちょっと、大きめな囲いの中で子どもを見てみましょう。