人間が得たものと失ったもの

チンパンジーに数字を覚えさせ順番に選ばせる実験をしました。コンピューターの画面に1から9までの数字を表示したら、0.7秒ほどで最初の数字を選び、1から9までを順番に選ぶ正答率も80%を超えるという。とても、人間にはできない速さであり記憶力だそうです。
人間よりも、チンパンジーのほうがこの実験に関しては、できるという点では優れています。
しかし、その生物にとって生きていくために必要なものは何かと言う観点から考えないと、必要な能力とそうでないものを混同してしまい、本来必要な人間としての能力を十分に発達させ、獲得させ成長していくことができないかもしれません。
子どもを育てるとき、人間として生きていくために、今必要な経験や知識は何かという事を精査する必要がありますね。
(比較発達心理学:松沢哲郎「発達」No.105,Vol.27参照)


野生チンパンジーは森に住み、約600種類の植物のうち、約200種類を食用としている。でも、イチジクが大好物です。それがどこにあるか、熟れて食べごろかどうか、どの木を伝って行き着いたらよいかを記憶しているそうです。
チンパンジーのこうした記憶能力は、生きていくために必要なものです。人間の子どもも、トランプの神経衰弱のように大人以上の記憶力を発揮します。
イギリスのニコラス・ハンフリーという心理学者は・哲学者は、進化において獲得したものがあるとすると、別の何かを失うことを指摘しました。
人間は言語的な抽象化する能力を得た代わりに、チンパンジーのような細部を正確に記憶する能力を失ったのかもしれません。
10年後、20年後、この可愛い子どもたちがしっかりと生きていくために、今育てておかなければいけないものは何か?大きな課題です。