園長室は工作室

園長室には、様々な子どもが遊びにやってきてくれます。色画用紙の切れ端を見つけた子どもたちが、はさみで何やら作り始めました。のりを使って、張り合わせることを楽しむ子どももいます。園長室工作1.jpg


年少児なので上手に何かを作るというよりも、ひたすらはさみで切ることを楽しんでいます。大きな色画用紙には鉛筆で線やいろんな形を書き、その線に沿って切ることを楽しんでいます。いろいろと切るうちに、リボンができたよと見せてくれました。園長室工作2.jpgなにやら、集まって相談を始めました。どうも、上手に切れたものをあげると言っているようです。自分で作った物が思いのほか上手にできたので、友達にあげたくなったようです。
独り占めするのではなく、友達に分け与える。こんな日常の何気ない一こまの中で、子どもたちは優しくしたり、優しくされたりして、自分の存在が、人に喜んでもらえることで喜びを感じています。
このような自己肯定感は、いざというときに自分を守る、頑張るためのバックボーンになる大変重要なものです。園長室工作3.jpg何やってるのと、また、別の子どもたちが入ってきました。さらに、人間関係が複雑になっていきます。園長室工作4.jpg子どもたちは、日々の生活の中で、様々に人と関わり多様な人間関係を経験していきます。この積み重ねの中から、人間関係をうまくやっていく力が育ちます。
また、3歳児は、自分と他者を区別する、自分と異なった考えを持つ他者の存在を理解できる力が発達しつつあります。この力は、多様な人間関係を積み重ねる中から育ちます。
これは、教え込んでも育つものではありません。理屈で理解できることではないからです。実感を伴って理解するためには、生身の人間同士のかかわりの中から感じ取っていくほかはありません。
どのような体験が、その子どもの発達に対して必要かは、毎日子どもと生活する中で感じることでしか理解できません。地道な作業ですが、結果的には、きちんと子どもが育つ、人間として育つために最も適した方法です。
それは、人間の進化の過程、文化の生成発展の過程が表していますね。