相手を敬う気持ちが、自分を救う!
中日新聞 「いじめ私の意見」から
あるセミナーで、「親から尊ばれる子はいじめられない」という話を聞き、自分が変わることで家族も幸せにし、自分も幸せになったお話です。
2児の母。父親は仕事が多忙で朝夕の食事を一緒にとれない。自分もパート。忙しくていつもイライラしていた。子どもを叱っていた。
この言葉を聴き、私は「子どもを尊敬していたか」と自問自答しました。「夫を尊敬していたか」とも。
子どもの体は食べ物で大きくなるけれど、心は親の愛で大きくなるんですね。子どもの幸せを真剣に考えた時、親の私から変わろうと決心しました。
今では、食卓には不在の夫の分も置き、子どもといっしょに「お父さんいただきます」と、言ってから食事をしています。
忙しくても家族が仲良くできれば、相手を思いやる心が育つきっかけのなると思うのです。痛ましい子どもたちの事件が続くからこそ、親として反省してみることも必要ではないか。そう考えています。
これも、なかなかすてきなお話ですね。
私たちは、つい自分本位に考えがちです。自分の思い通りでない相手に対して怒れることがよくあります。また、必要以上にいらいらして自分を追い込んでいる場合もあります。
人が自分の思い通りでないことは、当たり前のことですね。人も自分に対して思い通りでないと思っているというところまで考えられると少し冷静になれるのですが。
人は、自分のあり方で変わります。逆に、自分が今のままで人だけを変えることはできません。人間は互いに影響し合って、それぞれが落ち着くところでバランスをとり、人間関係を作っています。
思いやりの気持ちも、困っている人がいたら助けてあげなさいとか、だれにでも親切にしてあげなさいと伝えれば思いやりのある子に育つかというと、そうではありませんね。100回言っても、1000回言ってもだめですね。
子どもの心に、相手のことが好きだという思いが湧いてこないと、その気持ちをベースに何とかしてあげようという気持ちが起こってこないと、優しさや思いやりの気持ちも育ちません。言語で伝えるのでなく、育つ援助が必要です。
昔、テレビであくびは伝染するかという実験を行っていました。私は、そんなばかなと思っていましたが、なんと見事に伝染したのです。
人が怒っていると、ちょっとそれに影響されてドキドキしてしまう自分がいます。人が喜んでいると、つい頬が緩んでしまう自分がいます。好きなスポーツを見ていて、自分はプレーをしていないのに、あたかも選手になりきってのめりこんでいる自分がいます。
ワロンという人が言いました。情動は伝染する、と。
私たちは、さまざまな人に影響を与え、また、さまざまな人から影響を受け生きています。幸せになりたいと思うなら、相手が幸せになるような自分であることを考え、その結果自分も幸せになっていく、そんな考え方が大切なのではないかと考えます。