子どもは子どもらしく !!!
子どもは子どもらしくあることが、子どもの発達に一番良いということは基本的なことです。さて、子どもらしくあるということは、どのようなことでしょうか。決して、傍若無人にふるまい、わがままを通し、要求が通らないと泣く、という状態をそのまま認めることではありません。
その子どもの発達の段階を良く見極め、発達に即した援助と指導が大切ということですね。1歳の子どもに走ることを強要したり、こぼさないで食事をすることを誰も求めません。それは、無理なことが分かっているからですね。
ところが、3歳、4歳になり、大人の使う言語が多少理解できるようになり、行動も自分のことが自分でできるようになると、つい高度なものを求めてしまうことがあります。それは、良い子に育って欲しい、賢い子に育ってほしいという親や保育者の願いからくるものと思えます。
それを否定する訳ではありません。目の前の子どもの発達段階がどのようなものなのか。そして、その子どもに対して願う育ちや、発達のためのより良い体験がどういうものなのかを検証してみる必要があります。
子ども達を見ていますと、気に入った遊びを繰り返し繰り返し楽しんでいる姿があります。気に入った絵本を何度も読めとせがんだりもします。その時の子どもの心はどのようなものなのかを理解してあげることが大切ではないでしょうか?
三輪車に毎日毎日乗っている子どもがいました。ペダルをこぐ、舵を取る、前進し後退する。そんな動作の繰り返しが、自分の筋力を高め、自在に自分の身体をコントロールする力を身につけさせました。
気に入った絵本を何度も何度も繰り返し読んでもらっている子どもは、読んでもらうたびにイメージを膨らませている事でしょう。読んでもらうたびに様々な発見をし、心が揺さぶられ豊かな心を育てている事でしょう。
保育では、子どもが今楽しんでいる事は、それを通して子ども自身を育てていることだと言われています。子ども自身が経験する中で、様々なことに挑戦し自分の力を試しています。
また、生活を通して学んでいくものもあります。家庭生活で料理をしたり、洗濯する、洗濯物をたたむ。食事のマナーであったり、挨拶など、文化的なものは伝えていく必要があります。
自分の力を思いっきり自分で試してみることと、現代社会でのより良い生活態度を学ぶことと、両面が必要になります。人としての基本的に大切な心を育てながら、子どもにとって楽しく有意義な生活が送れるよう援助していきたいものですね。