相手の立場に立つということ

相手の立場に立って考えることは、簡単なようですが、本当はとても難しいものですね。夜回り先生の水谷修先生が、母親が薬を取るのに手間取っている姿を見て、遊んでいるのかと言ったところ、軍手をはめてやってみなさいと言われました。
水谷先生が軍手をはめて薬をとろうとしましたが、なかなか思うように取れません。やってみて初めて、母親の苦労している意味が分かったそうです。また、人は自分ができることは他人にもでき、それを押し付けようとするところがあるが、みんな違うからできるわけないということを諭されたそうです。
相手の立場に立ってものごとを考えることができる力を小さい頃から育てておきたいものです。それは、そのように考え行動できる人になることができれば、より幸せに生きることができるのではないかと思われるからですね。


だからといって、相手の様子を常に気にしながら生きるということではありません。それでは、生きている事に疲れてしまいます。
生きていると、必ず人と関わります。その人との関わりの質が人生を作り上げています。その質を上げようと思えば、お互いの思いをより高度に理解し合う必要が出てきます。
理解し合うということは、本当に相手のことを理解しようとすると、相手になりきることが最も手っ取り早い方法と言えるでしょう。もし、相手の考えている事が100%ではないにしてもかなりの割合で理解できるならば、より良い関係で生きてゆくことができます。
それは、相手の幸せにも自分の幸せにもつながるものです。自分の損得勘定だけで生きていると、ギクシャクした人間関係になり、結局自分も幸せから遠ざかってしまいます。
一人一人が、自分の目の前にいる人とのよりよい関係を作って行けたなら、素敵な社会になるのではと考えます。