忙しい現代社会
現代社会は、とても忙しく動いています。早いほうがたくさん利益を得ることができることが多いため、どうしても、何事も早いほうが良しとされています。
45年前、当時「夢の超特急」と言われていた東海道新幹線が開業され、東京大阪がそれまでの半分以下の3時間で結ばれることになりました。これで、ビジネスマンの出張が楽になるだろうと言われていましたが、手軽に遠くに行くことができるようになったため、かえって忙しくなってしまいました。
ミヒャエル・エンデという作家が、「モモ」という作品を出しました。モモは、何もない自然の中で楽しく遊ぶ天才でした。でも、友達たちは、だんだん忙しくなっていって、誰も遊んでくれなくなりました。時間泥棒の仕業でした。時間泥棒は、言葉巧みに「便利になるよ」「楽になるよ」と言いながら人々の時間を掠め取っていくのでした。そして、モモと時間泥棒の戦いが始まります・・・。
昨日の中日新聞の中の、夜回り先生水谷修先生のコーナー「明日を求めて・・」の中に、次のような行がありました。
・・・登校途中にドジョウがたくさんいるのを見つけた。友だちと夢中で捕まえていて、ふと気がつくと太陽が高く上がっていた。学校に行き、怒られると思ったら、いい理科の勉強をしてきたなと言われたとのことでした。
思い出してみると、昔は時間がゆっくり流れていたように思えます。忙しく社会に流されていると、生きている意味を見失っている事に気がつくことがあります。
子どもには子どもの時間の流れがあります。大人の時間の流れとは速さも質も異なります。教育を考えるとき、大人の考えで作ってしまうと、子どもに合わないものが出てきてしまう恐れがあります。無理を強いると、どこかで破綻してしまいます。
何でも子どもの思い通りでも、社会性の問題など困ることも出てきてしまいます。どちら付かずということではなく、どのような子どもに育てたいかというポリシーが、これらを振り分けてくれます。つまり、私たち大人が子どもの育ちや心についてもっと勉強すべきであるということでしょうか。
子どもの時間の流れ、子どもの心の揺れ動き具合、などを感じながら毎日の生活を作っていきたいものですね。