ねこちゃんが おでむかえ!
園長が外に出る用事から帰ってくると、かわいい子猫たちが出迎えてくれました。「にゃー、にゃー、にゃー、にゃー」かわいい声がこだましています。
頭の上の被り物に、個性的な顔が描かれています。園長室までお供してくれます。「園長先生、早く出てきなさい」とせかされています。お部屋では、かわいい子猫ちゃんたちのいろんな遊びが展開されています。思い思いに友だちと関わって楽しんでいます。猫であることが楽しいみたいです。ピアノに取り付いて、「にゃー、にゃー」言っている猫が3匹いました。ぴょんぴょん飛び跳ねてまとわりついています。給食の時間まで喜んで猫になっていました。子どもは、何かになり切って遊ぶことが大好きです。女の子はお母さんそっくりの話し方です。模倣で遊ぶということは、実は発達の上でとても大切なのです。頭の被り物一つで猫になり切れてしまう子ども達は、大した演技力の持ち主です。
実は、演技ではなく真剣にそのものだと思い込んでいます。子どもの遊びを見ていると、その素晴らしい才能に気がつきます。ここまでなりきれるのかと思わせるほど、その世界にどっぷりつかっています。
自分以外の何者かになる力は、相手の気持ちを察する力に結びつきます。「相手の気持ちになって考えなさい」と先生や親たちから言われることもありますが、このように相手になりきる経験がないと、人の気持ちを考えることができませんね。
絵本や紙芝居も、このような経験を積むことにも役立ちます。もちろん、絵本や紙芝居には、子どもの発達のために必要な大切な役割がたくさんあります。
子どもの発達、特に就学前教育における、いわゆる幼児教育の大切さが叫ばれてはいますが、小学校教育の先取りではなく、この時期に発達するもの、心情意欲態度を育てることこそ、小学校以降の学びへとつながるものです。
文字を読み書きできる力をベースにして、数量の問題を考える、社会の成り立ちや自然について学ぶ、などの教科学習に入る前に、それらを理解できる能力を育てるための経験を積むことが大切ですね。