自然に対して謙虚であれ(樹木医 塚本こなみ氏)

樹木医塚本こなみ氏のお話を聞く機会がありました。
塚本さんは、栃木県のあしかが植物園でお仕事をされています。日本一の動物園なら北海道の「旭山」、植物園なら「あしかが」と言われているそうです。
様々な植物とかかわってきて学んだことは、
謙虚であれ!
真剣に立ち向かえ!

だそうです。これは、全ての自然に対して言えることですね。
ということは、人間に対しても言えることです。特に、一番自然に近い子供という存在に対して、その成長にかかわる人間は、「謙虚であれ!」「真剣に立ち向かえ!」ということばを今一度、噛みしめる必要があります。
子どもは、内側から育とうとして育ってきます。その成長に対して保育に携わる者は、子どもの育とうとする力、方向に対してどのような援助をすると、その子どもらしくいきいきと伸びていくか、先見的な判断の元に発達援助が成されなければなりません。


塚本さんは、仕事の中で大木を移植することがよくあるそうです。その時に、うまくやってやるぞという気持ちでは、うまくゆかないそうです。
謙虚になり、木の気持ちを聞き、思いを感じながら丁寧に扱うとうまくゆくそうです。
これって、まるまる子育てと同じじゃないですか!
大人があれこれ叱ったり指図するだけでは心がうまく育たないように、謙虚になり、子どもの気持ちを聞き、子どもの思いに添った援助をするとき、子どもはすくすくとしっかりとした人間に成長していってくれます。
昨日、子どもとキャッチボールをしました。といっても、ボールはありません。子どもがボールを投げるしぐさをしたので、私がそのボールを受け取るしぐさをしたのです。私は、ボールを投げ返しました。すると、その年少のK君は受け取る動作をしてくれたのです。
K君は、右へ左へ高く低くボールを投げます。私は、K君の投げたであろう方向に腕を伸ばしてジャンプしたり、しゃがんだりしてキャッチします。しばらく、きゃっきゃっとキャッチボールごっこを楽しみました。
すると、次にK君がボールを打てと言うのです。私は、K君が投げたであろうあたりのボールをカキーンと打ちました。それを、K君がファインプレーでキャッチします。
しばらく、打ち続けましたが、K君が大きく振りかぶって剛速球を投げる動作をしました。私は、大きく構えてバットを大きく振り回しました。しかし、空振りです。2~3回くるくる回って、どてっと倒れ「やられた」と言いました。K君は大喜びです。
電話が入ったかなんかで、そこで中断してしまったのですが、後から聞いた話では、K君はお部屋に行って、宅急便やさんごっこに発展させてみんなと遊んでいたそうです。
K君の思いを感じ、答えることができてよかったという場面でした。
子どもたちは、今を生きています。しかも、自分で自分の命を生きています。保育に携わる者は、その子どもの心を感じ、伸びていこうとする方向を見定め適切な援助に心がける必要があります。
毎日毎日、子どもたちに対して謙虚であり、真剣に立ち向かいたいと思います。今後とも、皆様のご指導ご協力をよろしくお願い申し上げます。