運動会ご協力ありがとうございました☆☆
天候が心配された運動会当日。奇跡的に雨は降らず、やや風は強かったものの、過ごしやすい気候の下で運動会を挙行できました。お世話になった方々、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
今年のテーマは「パワーアップ」でした。年少児にパワーアップの意味を説明してほしいと頼まれ、真っ先に頭に浮かんだのがポケモンでした。ピッチュウがピカチュウにピカチュウがにライチュウに、頑張って力をためていくと、より素晴らしい姿になると、これは分かりやすいたとえだ。3歳児にも容易に理解できイメージできるだろうと思って、勇んで子どもたちの前に立ち、話し始めたところ、「?」、「??」、「???・・・」。子どもたちは首をかしげるばかり。「あっ」、気がつきました。今の子どもはポケモンではなくて妖怪ウォッチだった。ジバニャン、こまさん、ワルニャンで話をしないと・・、時すでに遅し、一般的な話で終わってしまいました。さくら組さん(3歳児)がひまわり組さん(4歳児)に、ひまわりくみさん(4歳児)がすみれ組(5歳児)さんみたいにかっこよくなっていくことなんだということで、やっと子どもたちにも納得の表情が浮かびました。職員たちは「私たちはポケモンの話でよく分かりましたけどね」と慰めてくれました。人に思いを伝えることは大変難しいことです。その段階は次のようです。
まず、話し手から聞き手へ
①伝えたいイメージを自分の頭の中で言語に集約する。
②その言語を音声に変換して思いを込めながら相手に伝える。
次に、聞き手の手順
③話してから発された音声を、頭の中で言語に変換する。
➃その言語に見合うイメージを記憶の中から捜す。
➄そのイメージを頼りに、相手の伝えたいであろうイメージを想像する。
⑥相手の伝えたいイメージを想像できたところで相手の伝えたいことが理解できた。
と、こんな事かと思うのですが、コミュニケーションが上手くゆくためには、共通のイメージを持っていることが大切になるのは当たり前です。
言語を介してイメージをやり取りするわけですから、同じ言語に対して同じイメージを持っているということは必須条件です。
幼児期の教育において、文字の読み書きよりも具体的直接的な体験が大事とされることもそこにあります。
私たちが日常当たり前に使っている言語は、ほとんど多くの人に共通のイメージを持っています。ですから話をすることが出来るのですが、
まだ、イメージの蓄積の少ない乳幼児には、いくら言葉で言い聞かせようとしてもイメージがわかないので相手の言っていることが理解できません。
あげくのはてに、「わかった!?」と大きな声で言われたら。、その勢いに押されて思わず肯いてしまうなんてことがよくあります。
そして、後から「分かったって言ったのに、なんでまた同じ悪いことをするの?」なんて怒っても仕方ありません。
分かってなかったんです。子どもの立場にたって、子どもの理解できる水準を予想しながら、子どもの表情からその理解度を推し量りながら慎重に言葉を選んで話さないと子どもと心の通じ合うコミュニケーションは難しいですね。この幼児期にきちんと幼児の言葉からそのイメージを理解し、共通のイメージを介してコミュニケーションを積み重ねることがいかに大切なことか、それは、後々大きな力となって表れてきます。目に見えにくいだけに、果たしてどれくらい教育成果が上がっているかどうかが分かりにくいことなのですが、一般的にシッカリしている子と思われる子どもは、豊富なイメージを有しコミュニケーション能力が高いと言えるのではないでしょうか。
ただ単に、かっこいい姿、強くたくましい姿を見せるだけでなく、その源である逞しい心の育ち、それに至る過程で得た子どもなりの自信、自己有能感、仲間意識などの育ちの結果が運動会での子どもの姿です。たくさん練習したから上手にできるということではないのです。