自尊感情を育てましょう !
子どもの頃、一人暮らしの祖母の家に行くと、祖母は必ず「ありがたいありがたい」と言って、私を拝んでくれました。父親は次男でしたが、長男さんの子どもはは3姉妹でしたので、家を継ぐものは私という感覚だったのでしょう。
その頃は、拝まれると何だか恥ずかしくて逃げ出したい気持ちでした。でも、ニコニコしながら本当に嬉しそうに拝んでくれる祖母の顔を見ると、なんだか心がとっても温かくなったことを覚えています。
私の命は、こんなにも大切にされているのだということを実感できました。自分では自分の命をあまり実感できなくても、その体験は、私の自尊感情を育てるには十分なものでした。
今、思うとそれが私という人間の根っこを形作ってくれたんだなあと思えます。大切にされているからこそ、頼りにされているからこそ、自分の命を丁寧に生きなくてはと思います。
最近、こんな自尊感情が育っていない子どもたちが増えていると言われています。夜回り先生で有名な水谷先生は、自暴自棄になり堕ちていく子どもたちに、お前の命は大切なものなんだよと説いて回り、子どもたちの命を救っています。
果たして、私たちの周りの子どもたちは自尊感情が育っているでしょうか。人から愛され大切にされている、自分の命なんだけど人にとっても大切な私の命をきちんと生きようとしているでしょうか。
自分の命が大切であると言うことを実感している子どもは人も大切にすることができます。相手のことも大切と思うとき、意見が違ってもどうしてかなと相手の気持ちの心を傾けることもでき、よりよい人間関係を作っていくこともできます。
忙しくて、じっくりと子どもと関わる時間がなかなか取れない時代になったからこそ、日頃の子どもとのかかわりの中で自尊感情を育てて行きたいものですね。