「ありのまま」を受け止める Ⅲ ☆

ありのままを受け止める子どもとの対応は、実際はどのようなものでしょうか。私たちは、つい子どもを未熟な存在だと思い込んでしまいます。実際、生活面で大人は子どもに何かと世話をしないと、子どもはうまく生きていくことができません。
教えたり、注意しないと、やるべきここともできないし、危険な目に会うこともあります。そんな時の大人や周りの環境の影響を受け育っていきます。
たとえば、水たまりで泥んこ遊びを始めたとき、お母さんが「汚れるよ」と言ったとします。そして、案の定、子どもは衣服を汚してしまいます。すると、すかさず「ほら、汚れるって言ったでしょ!」と叱ってしまうときもあります。
こんなときは、どのようにしたらよいのでしょうか。私たちはともすると、小さいうちは厳しくしつけないと身につかない、と考えたり、いやいや小さいうちは自己発揮できるように、できる限り子どものやりたいようにやらせればよいとか、方法論に陥りがちです。
大切なのは、その方法の裏づけとなるポリシーですね。どのような子どもに育って欲しいかという大人の願いが、ぶれずにしっかりあることが大切ですね。それが、自然にその時に応じた対応を生み出してくれます。


たとえば、時間があって泥んこ遊びを続けさせてあげたいとき、もし今の服が汚れてしまっては困るものであれば着替えさせてから行なわせる必要があります。
時間が無いときは、どこまで理解できるか分かりませんが、できる限り子どもがイメージしやすい言葉で、遊ぶ時間が無いことを伝え、やめてもらう必要があります。大人も都合があります。生きていくために、家族を守る為には有無を言わせず従わせるときもあることでしょう。
ともあれ、子どもが自分から泥んこ遊びを始めたということは、泥んこ遊びがおもしろそうだと思ったからですね。子ども自身がやってみたいという気持ちになったこと、そのことはまず認めてあげ、次に、どうして欲しいかを伝えられると良いのではないでしょうか。
そのようであれば、子どもは自分が否定的にとらえられていると感じずに、素直に大人の話も聞けるのではないでしょうか(少し)。