春の陽気に誘われて ☆☆♪

入園式から一週間が経ち、子どもたちも園の生活に徐々に慣れてきました。気候も良くなり、外遊びをする子どもたちが増えてきました。先生が園庭にラインパウダーで道路を描いてくれました。早速、子どもたちは三輪車などで走り回ります。230407 外遊び 001.jpg登園するなり、先生と熱い抱擁です。230407 外遊び 003.jpg「今日も会えてよかった。元気な顔を見られて良かった」、待っていてくれる人がいる。それだけで、子どもは元気に幼稚園に通うことができます。


大好きなおじいちゃんにおんぶされて、大満足のようすです。230407 外遊び 004.jpgおじいちゃんに大事にされていたと実感するこの経験は、子どもの自己肯定感につながり、健やかな成長の一助となってゆくことでしょう。これは、甘やかしではなく、健やかな成長のためには必要な体験ですね。
こういう経験があまりにも欠如していると、情緒が不安定になり、成長に支障をきたしかねません。ある大学の先生は、そういった若者を集めて「そだてなおし」と称し、オムツをしたり、おんぶをしたり、ご飯を食べさせてあげたりとのケアーを通して自分が大切にされている大事な存在であるということに目覚めさせ、自立の援助をしています。
 さて、それでは、このような子はいつまでも甘えていてちっとも自立しなではないかという疑問をもたれる方もおみえかもしれません。いえいえ、自立は、十分な依存の元になされるものです。いざとなったら自分を守ってくれる大きな存在(母親であったり、先生等)があると実感している子どもは、安定感があります。十分な依存の中から自立は生まれてきます。小さなころから、自分でやるといってきかないときがありますよね。そのチャンスをうまく利用し、自分でやろうとする心を育て、達成感を抱かせる経験の積み重ねが、しっかりとした人間を作ります。「しっかりしなさい。自分でやりなさい」と、いくら叱咤激励しても育ちません。まず、自分でやってみようかなという気持ちを起こさせる、また、そのような気持ちを認めるところからがスタートですね。失敗を認めず、叱ることが多かったり、失敗をさせないがのための指示命令が多すぎるのも考えものです。自分で感じ、自分で考え、自分で実行し自分でその責任を負う、そしてよりよい人生を創造していこうとする意欲や創造性は、幼児の何気ない日常で培われていきます。何かができるとか知っているということも、発達を測る尺度として必要かもしれませんが、本当に心が育っていれば、その尺度を身につける練習をせずともできるようになってゆくものと思われます。それは、やろうとする、よりよい自分をつくっていこうとする心が育っていれば、どんなことでも成し遂げようと努力し、自分のものとしていけるからです。
子どもの心に共感し、ともに歩む姿が養育者の姿としては大切であると考えます。心は、心を持つ大人と心の交流を通して育まれるものだからです。230407 外遊び 007.jpg230407 外遊び 008.jpg子ども同士でも、同じ行動をする中で、お互いの気持ちに気づき、分かり合い友達になっていきます。まったく違う遊びをしていて仲良くなることはありませんね。何かしら共通点を認め合うからこそ、安心してつきあえる関係が作られていきます。まず、同じものから出発し、少しずつ違いがあることに気付き、それを認め合うより深い関係が作られていきます。