日々の様子(育ち盛りの毎日)

何気ない日常の中で、子どもたちは着実に成長しています。日々の様子から、子どもの日常を考えてみましょう。年長のクラスをのぞいてみると、鉛筆を持って、考えながら何かを書いていました。ちらとのぞいてみると、どうもお泊まり保育の楽しかった思い出を文にまとめているようでした。

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立ち歩いたり、よそ事をしたりせず、一生懸命考えながら書いている子どもたちを見ていると、学級崩壊とは縁がないだろうなと予測させてくれます。隣の子が教えてくれたりする微笑ましい姿も散見されます。

 

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お気に入りの先生と一緒にゆったりと心を安定させて過ごします。

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年少児の部屋をのぞいてみました。鉄板の上に食べ物のおもちゃがたくさん並んでいます。バーベキューごっこのようです。

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子どもの遊びは、実生活の再現であることがたくさんあります。実際に経験した生活体験を再現することで、日常生活上の方法であったり、考え方を自然に身に着けていきます。プリンやトマトは焼きませんということを伝えることが大切ではないですね。プリンやトマトも焼くと美味しいかもしれません。ただ、実際のプリンやトマトは焼かなくても食べられるということは言えます。大切なことは、楽しかったバーベキューの時間を再現し、また、あの時と同じ楽しい時間にするということですね。

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さっきのクラスへ戻ったら、エプロンまで着けて、はい、本格的です。子どもは現実に近ければ近いほど楽しいので、あれこれ考えて再現しようとします。その時にどうしたらもっと本物そっくりになるかなと、様々に工夫し試します。その過程が賢くなっている過程と言えます。ただ、バーベキュー遊びやってるんだね、ということではなく、「楽しかったんだね」「誰と行ったの」「何を食べたの」などと、楽しかった子どもの気持ちに共感したり、より思い出しやすくするための質問をしたりして働きかけることも、より遊びを充実したものにしていくためには必要な援助でしょうね。ただし、過剰に介入しすぎると子どもの思考をストップさせてしまったり、混乱させてしまったりするので見極めが大切です。子どもが何を喜んでいるか、何に心動かされていたのかということを推し量る力が必要です。心の動きは目に見えないので難しいのですが、だからこそ、日頃から子どもたちと心通わす交流が必要なのです。その子どものことが深く理解できていると、いろんな場面での子どもの心のあり方を推し量ることが出来ます。子どもの気持ちに添った働きかけや援助が、適切な発達を促すための経験の積み重ねとなって、心の基礎を形作っていくことでしょう。

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子どもが雑巾で床を拭いています。

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この日は「ピカピカデー」と言い、子ども達自身が自分の身の周りをきれいに掃除する日です。日常生活体験の少なさが子どもの発達に良くない影響を与えているようだと言われて久しいですが(排泄の自立遅れもそれに由来すると主張する研究者もいます)、まず、自分の周りから整理整頓清潔清掃に気を付けて人間らしい生活を身に着けていくことが大切ですね。

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こんなに雑巾が汚くなっちゃったと見せてくれました。その分幼稚園がきれいになったっていうことです。

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よーいどんで雑巾がけ競争です。

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給食も掃除も終わり、待望の自由な外遊びの時間です。自転車でビューンと風を切って走ります。気持ちよさそうですね。自在に乗りこなしています。

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スロープを仲良く手をつないで二人の女の子が下りていきました。

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お客さんを二人載せて、うーん重い、よいしょよいしょ。

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ミニリヤカーにお客さんを載せてやってきました。こうやって見てみると、一人でぼぅーっとしている子どもはいませんね。一人一人自分の目当てを持って、楽しめる遊びに取り組んでいる様子が伺えます。

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バーベキューの続きです。焼けたのでお皿に盛っているところですね。

 

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絵本を出してきて楽しみだしました。

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広告を自由に使えるコーナーでは、丸めたり織ったりしながら紙の変化を楽しんでいます。こんなのできないかな、あんなのできないかなと考えながらあれこれ試すことで手指の巧緻性が発達していきます。

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どの本を読もうかなと物色しています。

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お気に入りの本が決まったら、マットの上で読みます。柔らかくて少しひんやりして気持ちいいのです。

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年長の男の子たちもお気に入りの絵本を持ってきて読み始めました。絵本は徳辺津に読んであげるものではなくて、日常的に手の届くところにあり、気分に応じて楽しめることが大切かなと思います。

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年中さんは粘土遊びに夢中でした。少し前までは大きな塊をこねたり伸ばしたりしていただけですが、だんだん精巧な物を作り始めました。

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年中さんは、様々な素材を使って、何やら女の子の世界を作り上げていました。

 

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粘土遊びや制作のような個人的な活動であっても、仲の良い友達と一緒に取り組むことで、イメージが広がりより楽しい活動になっているようです。子どもは、子ども同士で育ち合っているのです。特に、言語などで表現しにくい、相手との距離の取り方や、自分の思いを表現するタイミングや方法などを日常的なかかわりの中で育てていっています。親や先生といった大人がこうすべきであるとかこうしなさいとか伝えても人間関係をうまくやっていく方法は身につきませんが、相手の顔色を見ながら実際に体験することで、人間関係をうまくやっていく力を体得していっているのです。

ケンカもあります。おもちゃの取り合いもあります。ケンカをしてはいけないということではありません。また、逆にケンカを奨励しているわけではありませんが、生きていると自分と考えの異なる人とのかかわりも生まれ、それもうまくやっていく必要がある。泣いていても助けてもらえるわけではなく、自分で勇気を出して切り拓いていかなければならない。生きていく逞しい心の源を育てるのがこの幼児期です。人生をたくましく生きていく心の発達のチャンスは、子どもたちの生活の中にたくさん隠されています。周りの大人がそれをうまく子どもの発達につなげていける援助をしてあげることが大切ですね。「がんばれー」といえば頑張れる子になるのではありません。