幼稚園にもペットブーム

世の中の流れに影響されて(?)、幼稚園にもペットブームがやってきました。240705 防災訓練 029.jpg犬種は定かではありませんが、子ども達にとっては大切な生活のパートナーのようです。かわいいペットをお供に、貴婦人たちが園内を練り歩きます。240705 防災訓練 027.jpgこれは、いや失礼しました。彼は「ぷりんちゃん」です。240705 防災訓練 004.jpg確かに名前が首筋に書かれていました。「ぷりんちゃん」にまちがいありません。飼い主さんが、大事に大事にかわいがっています。えさがいらないのと、排泄物の処理をしなくて済むところは大きなメリットです。散歩も飼い主の都合でオッケーですし、病気の心配もいりません。ただし、足が取れたり、胴体が切断されるという事故によるケガには気をつけなくてはいけません。夜は一人では寂しいし、寒かろうということで、きちんと家まで用意する愛情深さ。240705 防災訓練 040.jpg


こんなことが、何の役に立つのかと、きちんとした教科主義者の人は言うかもしれません。でも、子どもの発達に必要な様々な心の動きや想像力、手指の巧緻性の発達のきっかけが見て取れます。
 まず、周りの社会を自分で感じて、楽しそうなので、再現しようとしています。頭にある犬のイメージを明らかにしながら、身近にある素材を使って自分なりにそれを再現しようとするところに、想像力の発達のための経験を見て取ることができます。そして、自分の頭のなかのイメージに近づけるために、様々に試行錯誤を重ねる中で、手指を繊細に使い、その巧緻性を高めています。ただ、まねをするだけ、いわれたように作るだけでは想像力も使いませんし、よりかわいく作ろうとする意欲も工夫もわきません。決して、多くの方がすばらしいと感じたりする出来栄えではありませんが、子どもにとっては、世界で一番可愛い私のペットなんです。子どもの心の世界は、私たち大人にはうかがい知れない空間にあるのでしょうね。大人のものさしで考えるのでなく、子どもの世界で子どもの心に寄り添って子どものものさしで子どもの心を理解してあげたいものですね。子どもの世界で十分生ききると、少しずつ大人の世界に入って来れるのではないかと思います。大人の世界に子どもを引っ張り込むのではなく、自分の足で大人の世界に踏み込んでいけるような、自尊心と勇気を育むことが、就学前の教育には必要ではないでしょうか?
 口で言うのは簡単ですが、実際にどうすれば、自尊心であったり勇気を育てることができるのでしょうか?少なくとも、勇気を出しなさいと言えば勇気が出て、自尊心を持ちなさいといい続ければ自尊心のある子に育つというわけではありません。この二つは、思春期頃から自分自身を発揮しながら、自分らしい人生を切り拓いていくためにとても大切です。
 様々な方法があるでしょうが、少なくとも、そのようなことを意識している大人のいる環境で、必要なときにそれを育むための援助をしてもらうことが大切ですね。それはさまざまな場面がありますので、こうだとはいえないところがありますが、何気ない日常生活の中で醸成されていくものでしょうね。