総合発表会予行演習を行いました。
まん延防止等重点措置の中ではありますが、三密を避けながら予行演習を行いました。
総合発表会は演芸会ではありませんが、保護者様や祖父母様をお招きし、かわいい子ども達が健やかに育っている姿を披露するという意味もあります。
それ以上に教育的意義が高いのは、年長の後半のこの時期に「メタ認知能力」を獲得すると言われており、その発達のきっかけを作る絶好の機会だからです。
「メタ認知能力」とは、簡単に言えば自分自身を客観的に認知する力です。
この能力が高いと、人とコミュニケーションを取ったり、仕事や学業の進行や目標を定めたりする能力に優れていると言われています。
これから成長していこうとする子どもにとても大切な能力です。自分を客観視することによりなりたい自分になるために何をどうすればよいかということが考えられるようになります。
もちろん、年少児年中児にとっても同じようにメタ認知能力の芽生えを得ることができるでしょう。
舞台裏の通路で出番を待つ子ども達
舞台袖で出番を待つ子ども達、まだ出番まで時間があり余裕の表情です。
園長にも話し掛けてくれます。
出番が近くなると、途端に口数が減り呼吸を整え姿勢が良くなります。
舞台に出る意識が高まっているようです。
顔つきが変わり舞台に集中し、自分に気合を入れています。
舞台の広さに戸惑っている様子です。
園内での練習との違いを感じています。
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、休園があったり、学年閉鎖があったり、登園自粛等により十分な練習ができていませんがお友だちの姿をお手本にしたり、場所移動を教えてあげたり助け合っている姿が見られ、子どもにとってもよい経験になりました。
心の発達は、体の発達と同じように使うことによってより成長します。
5歳半頃から自分を客観的に見るメタ認知能力が発達すると言われていますが放かっておいては何も変わりません。上手な友達の姿を見て自分の姿が実際どうなのかを考えてみることにより、客観的に自分を見ることができます。
この力が育つと、なりたい自分に向かって自分をセルフコントロールすることができ、自分で自分を成長させていくことができます。やみくもに頑張るのではなく、方向性をもって物事に取り組む姿勢は生涯にわたって自分を成長させる原動力となります。
客観的に自分を見なさい、と言えばその力が身につくわけではありません。日常生活の様々な場面で子ども達は自分を感じ考えています。この社会でより良く生きるための術として必要だからその力を身につけていきます。
逆に、周りがすべてをお膳立てしてくれて、特に苦労もなく育ててしまうと世の中が自分の思い通りになるものと思い込んでしまい、思い通りにならないと怒ったり攻撃的になったりして、いわゆるわがままという育ちにしてしまう恐れがあります。
「苦労は買ってでもせよ」という言葉がありますが、無理に苦労をさせる必要はありません。よりよく自分が生きていくための術は、日常生活において身に付けるチャンスはたくさんあります。必要感を感じて私たちは様々な力を身に付けていっています。子どもも必要感を感じて学び成長することが本物の育ちにつながります。教えられたことは忘れやすいのに比べ、試行錯誤して気付いて身に付けたことは一生の宝として内在化されます。