標識を作りました ♪☆

標識探検で、街中の標識や看板を見てきた子どもたちは、その意味を少し理解してくれたようです。園内にも標識を作ろうということになり(毎年のことですが)、子どもたちなりに標語を考え、あちらこちらに貼り出してくれました。230531 いろいろ 009.jpg靴箱に下履きと上履きとどのように入れるかを現しています。きっと、これを描いた子どもは、どのように入れたらよいか悩んだり、先生から指導された経験があるのでしょうね。
ぺたぺた貼り付けてありました。この机は、物置用です。230531 標識作り 002.jpg机の上に乗ってはいけないことが、文字と言葉で表されています。230531 標識作り 001.jpgまだ、年中さんや年少さんには字が読めないだろうと考えたのでしょうね。よりよく伝えるためにはどうしたらよいかと知恵を絞ったのでしょうね。子どもたちが頭をひねり、小さな子ども達のことを考えながら書いたのを想像するととてもほほえましく思えます。(小さな子のことに気を遣えるぐらいおにいちゃんやお姉ちゃんであると自分たちは思っているわけです。五十歩百歩と言うと叱られるかもしれませんが、なんと優しく相手思いの子どもたちでしょう)


職員室の扉は「あけたらしめる」と書いてあります。いつも言われているのでしょうか?230531 標識作り 003.jpg廊下の途中には、「そとにいくときはぼうしをかぶろう」が、貼ってあります。230531 標識作り 004.jpgいつも、このあたりで先生に、こんな風に声をかけられるのでしょうか。
「きょうざいしつには、はいらないでね」230531 標識作り 005.jpgやさしい言葉遣いと下段の×印の絵は、読む人が小さな子であることを想定していますね。ただ、やみくもに書いてあればよいのではなく、きちんと伝えたい相手が考えられ、相手の身になって考えられているところは、立派です。
階段です。小さい子には、手すりを持つように伝えています。それを聞いて育った子どもたちですので、230531 標識作り 006.jpg
「いっぽんくうこう?」230531 標識作り 007.jpg年長の担任に聞いたら、「う~ん」と数秒うなってから、「いっぽうつうこう」じゃないですか?、なるほど!でも、ここは、一方通行ではないし、その必要もない場所なのですが、「いっぽうつうこう」を表示したかったのですね。
「おへやのなかははしらないでね」230531 標識作り 008.jpg優しい口調です。小さな子に言い含めようとするお姉さんの気持ちが伝わってきます。頭ごなしに叱るのではなく、諭すようにじっくりと小さな子どもの心と関わるお姉さんの気持ちが伝わってきます。走っている姿がまたかわいらしいですね。
「つくえのうえにのらないで」230531 標識作り 009.jpgこれは、園でも家でもよく言われているのでしょうね。乗ってはいけないということを絵で伝えることは難しいですね。
廊下の突き当たりに、布団を入れる箱の裏に貼ってありました。230531 標識作り 010.jpgはい、確かにこれ以上は進めませんが、・・・。
今度は、上から階段を下りるときですね。「てすりをもって」230531 標識作り 011.jpg「すべらないでね」230531 標識作り 012.jpg
階段で、滑らないように気をつけてね、危ないからという意味にとれますが、実は違います。手すりに腰をかけ、つるーっと滑り降りる技があるのです。多分そのことだ思います。
廊下の戸棚の上には、子ども達の作品群が置いてありました。230531 標識作り 014.jpgこれは、ふねだそうです。230531 標識作り 016.jpgそう見えるかどうかは関係ありません。子どもが船だといえば船なのです。船にもいろんな形があります。その子どものイメージしている船が、どこに行く船で誰と行くか、どんな風にいくかということが大切で、実在するかどうかは関係ありません。実現できそうもない物を否定して、創造力を萎えさせるのではなく、無限に広がるイメージを大事にしてあげて可能性の芽をたくさん残しておいてあげたいと思います。230531 標識作り 017.jpgこれは、意味不明ですが(私にとって)、作った子供にとっては、大変大きな意味があるのです。お父さんの顔です。どれも個性的です。230531 標識作り 018.jpg嬉しいのは、どの顔も笑っていることです。230531 標識作り 019.jpgここにある材料を使って、子どもたちは自分のイメージを形に表しています。230531 標識作り 020.jpgとなりの部屋に入ると、なんとまあ、230531 標識作り 021.jpg線路がビニールテープで230531 標識作り 022.jpg最初は、入り口の近くにすこしだけだったようですが、イメージが膨らみ始めると、どんどん大きくなって230531 標識作り 023.jpg一巻100円程度のビニールテープをもったいないと思うか、子ども達の活動を広げる良い材料として役立ったかどうか、それは、教育に対する価値観の問題でしょうね。「エリーゼのために」がきれいに流れてきました。230531 標識作り 024.jpg「うわ、すごい上手!」、ところが、この子がピアノの前を離れても音楽は途切れることなく流れています。自動演奏機能を持った電子ピアノでした。
子どもたちは、毎日一瞬一瞬を感じ、表現して生きています。感じて表現することの積み重ねが、人間としての資質を高めていきます。教えられた通りに表現するのではなく、自分が自分の五感で感じたものを自分らしく表現する力を養っていきたいものですね。また、規則やルールに関しては、その意味をしっかり理解することで守る必要性を感じたり出来ることでしょう。意味もなく押し付けるだけでは本当の理解には遠いことと思います。自分で感じ、自分で考え表現し、反応をまた感じることで自分の周りのものを知っていきます。そんな体験をたくさん積み重ねることが、この時期の発達には必要なようです。